日本農業遺産認定の技術!美方郡の但馬牛システムとは?

美方郡は但馬牛の生産拠点として古くから知られています。
実は神戸牛と呼ばれる日本の超高級牛も実は但馬牛の高品質なものを指しているのです。
このような実績もあって但馬牛の育成システムが日本農業遺産認定の技術として認められました。

美方郡の但馬牛システムが認定された日本農業遺産とは?

美方郡の但馬牛システムが認定された日本農業遺産とは、農林水産省が制定した制度です。
「地域の貴重で伝統的な知識及び慣習」、「独創的な適応技術」及び「生物相、土地、水等の農林水産業を支える自然資源の管理システム」を維持している地域が認定されるもので、国連の一組織である「国際連合食糧農業機関」(FAO)が認定する世界農業遺産(GIAHS)の日本版ともいえるものになります。
簡単にいえば、日本の農畜産業で守るべき伝統的な仕組みとして、高い品質の肉牛を生産する但馬牛システムが認められたのです。
また、この認定を受けることで、将来的に世界農業遺産への申請承認が得られ、実際に世界農業遺産への申請承認を受けることにも成功しています。

美方郡では但馬牛のトレーサビリティの原形が明治期からできていた

美方郡の但馬牛の生産技術は、当然日本農業遺産になる水準です。
しかし、それに加えてトレーサビリティともいえるシステムが明治期から整備されていたのが認定の決定的な要因といえるでしょう。
そのシステムは「牛籍簿(牛籍台帳)」と呼ばれるものです。
これは、但馬牛の個体別の戸籍表のようなもので、どこの但馬牛の子で、どこで育成されているといった記録を示したものです。
かつて、但馬牛は外国産の品種を入れて肉質を落とした過去があり、その反省を活かして明治期にこのシステムを構築しました。
もちろん、堆肥と稲わら飼料を用いた環境創造型農業のシステムも評価されています。