香川の若者がはじめる農業について

香川県の観音寺市に広がる「豊浜の花畑」は、春になると色とりどりの花が咲き誇る名所です。
観光客の目を楽しませるだけでなく香川は農業の活気が色濃く残るエリアでもあります。
山間部から海岸沿いまで多様な農地が広がり、米、野菜、果樹、花卉と幅広い作物が育てられています。
特に最近では、オリーブやアスパラガス、レモンなど“香川らしい”農産物が注目を浴びています。
これらの作物は、県内だけでなく県外の市場やレストランからも引き合いがあり、農家のモチベーション向上にもつながっています。

香川の若者が取り組む農業とは

「農業って、じつはオシャレで面白いんですよ」。
そう語るのは、香川県丸亀市でレモン農園を始めた20代の青年。
彼のインスタグラムには、鮮やかな果実と手づくりの加工品がずらり。
若者の感性とテクノロジーが、今の農業を軽やかに変えつつあります。
香川では、若手の就農者が少しずつ増えています。
例えば、Uターンして祖父の畑を継いだ人や、全くの未経験から研修を経て農業法人に入社した人など、多様な入り口があります。
新しい世代は、販路の確保やブランドづくりにも熱心です。
SNSやECサイトを活用し、自らの作物の魅力を“ストーリー”で伝える工夫をしています。

若者が農業に興味をもつ理由とは

若者が農業に惹かれる理由は「自由」と「やりがい」。
会社勤めでは感じにくい“自分の手で作る感覚”や、“土に触れる癒やし”が農業にはあります。
香川でも、サラリーマンから転身した20〜30代の就農者が増加しています。
特に「食の安全」や「環境問題」に関心を持つ若者にとって、農業は“暮らしを変える手段”にもなっています。
また、デジタル技術との相性の良さも理由のひとつ。
ドローンでの農薬散布、アプリでの生育管理など、IT世代が得意とする分野が農業にも広がっています。

若者が農業をはじめる支援とは

「農業を始めたいけど、土地も経験もない」。
そんな若者に向けて、香川県ではさまざまな支援策が用意されています。
たとえば、「新規就農者支援事業」では、一定期間の研修と収入サポートをセットで提供。
未経験者でもゼロから学べる環境が整っています。
また、農業法人に就職して技術を身につけた後、独立を目指す“ステップアップ型”の就農支援も注目されています。
農機具の貸与制度や、空き農地の紹介制度もあり、「農地がないから無理」と諦めていた人も一歩を踏み出しやすい状況です。
さらには、移住と農業をセットにした「農業×地域おこし協力隊」のような制度も人気です。